電話06-6147-8639

受付時間:8:00~21:00(土日祝可)

CONTACT

新着情報news

2025.09.16

新着情報

夫婦で作る遺言書の注意点(2人同時に作るときの落とし穴)

仲良く作っても遺言が無効に場合がある!?

「夫婦で仲良く遺言書を作りたい」というご相談を受けることは少なくありません。

例えば、「夫が亡くなったら妻へ、妻が亡くなったら夫へ、最後に残った財産は子どもへ」というように、夫婦そろって遺言内容を同じようにしたいと考えるケースです。

しかし、日本の法律では「共同遺言(夫婦が一通の遺言書に署名押印すること)」は無効とされています。

仲良く2人で作ったつもりが、法律上は効力を持たず、相続をめぐるトラブルを招いてしまうこともあるのです。

本記事では、夫婦で遺言書を作成する際に注意すべきポイントや、落とし穴を回避する方法を解説します。

夫婦で遺言書を作るときの基本ルール

まず知っていただきたいのは、遺言はあくまで個人の意思表示であるという点です。

民法第975条では「共同遺言の禁止」が定められており、夫婦が一緒に1通の遺言書を作ることはできません。

  • 「夫婦で連名にすれば安心」
  • 「夫婦で一緒に署名すれば有効になる」
  • 「夫婦で同じ内容なら一通にまとめてもいい」

これらはすべて無効となってしまいます。

  • 夫は夫の遺言書を作成
  • 妻は妻の遺言書を作成
  • 内容が似ていても、それぞれ独立した書面とする

これが法律に沿った正しい方法です。

 夫婦で作る遺言書のメリットとリスク

メリット

  • お互いに残された方を守ることができる。
  • 子どもへの財産承継を明確にできる。
  • 「仲が良い夫婦」の意思を形に残せる。

リスク(落とし穴)

  • 共同遺言にしてしまい、無効となる。
  • 一方が内容を変えたいときに修正ができないと誤解している。
  • 公正証書遺言にしないと、発見されず放置される可能性がある。

特に「一緒に作ったから、勝手に書き換えられないだろう」と思い込んでしまうのは危険です。

遺言はあくまで本人の自由意思でいつでも変更可能であり、夫婦間で拘束力を持つものではありません。

実際にあったトラブル事例

事例1:夫婦連名の自筆証書遺言が無効に

「夫婦連名で『自宅は子どもに相続させる』と書いた遺言書」を残していたご家庭がありました。

しかし、法律上は共同遺言とみなされ、遺言自体が無効となりました。

結果的に相続人全員で遺産分割協議をやり直すことになり、兄弟間で大きなトラブルに発展しました。

事例2:一方が先に亡くなり、遺言の意味が薄れる

夫婦で同じ内容の遺言を作ったものの、夫が先に亡くなり妻が財産をすべて相続。

その後、妻が別の内容で遺言を作り直したため、最初の合意が反映されず「父母の遺志を無視した」と子どもが不満を抱くケースもありました。

司法書士が勧める安全な方法

1.それぞれが別々に作る

  • 自筆証書遺言でも、公正証書遺言でも、必ず夫婦で1人ずつ作成。

2.公正証書遺言にする

  • 公証人が内容をチェックし、形式不備による無効を防げる。
  • 原本が公証役場に保管されるため、紛失や隠匿のリスクがない。

3.遺言執行者を指定する

  • 実際に相続手続きを進める人(司法書士や信頼できる人)を指定しておくことで、相続人同士のトラブルを最小限にできる。

費用の目安

  • 自筆証書遺言:基本的に費用ゼロ(ただし家庭裁判所での検認が必要)
  • 公正証書遺言:10万円〜20万円(財産額に応じて手数料が変動)

司法書士にご依頼いただく場合は、内容のチェックや文案作成、必要書類の準備まで一貫してサポートできますので、形式不備やトラブルの心配がありません。

夫婦で遺言書を作成することはとても有意義ですが、共同遺言は無効になるという大きな落とし穴があります。

正しくは、それぞれが独立した遺言書を作成し、公正証書遺言にしておくのが安心です。

司法書士法人entrust(エントラスト)では、芦屋と大阪にオフィスを構え、遺言作成等の相続対策や、家族信託等の認知症対策に力を入れております。

「夫婦で安心して老後を迎えたい」「子どもに円満に財産を承継させたい」「相続対策だけでなく、認知症対策もしたい」とお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。

👉初回相談は無料です。

お気軽にお問い合わせください。

一覧へ▶︎

CONTACT

お問い合わせ

司法書士法人entrustへのお問合せは、下記メールフォームへ必要事項をご記入の上、ご連絡ください。
お問合せ用メールフォームは24時間受け付けております。担当が内容を確認次第ご連絡差し上げます。
お電話でのお問合せもお受けしておりますので、お急ぎの方や直接話したい方はお気軽にお電話ください。