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遺言
家族信託と遺言を使いこなそう!
家族信託は、財産管理及び財産承継のための制度であり、遺言は、財産承継のための制度です。これについては、目的ごと、財産ごと、人ごとに両制度を使いこなすことが大切です。
実務上は、委託者の全ての財産を家族信託することはないため、「信託する財産」と「信託しない財産」に分かれます。信託する財産については、信託の設定の中で、信託財産の管理方法や承継先(帰属先)を定めることになり、信託しない財産については、遺言の中で、財産の承継先を定めることになります。
家族信託と遺言は、主に、以下の点で異なりますので、信託する財産と信託しない財産とを区別する際には、両制度の特徴を理解したうえで、使いこなす必要があります。
【家族信託と遺言の比較】
家族信託と遺言は、以下の点で異なります。
①財産の承継先の指定
家族信託も遺言も、「自分の死後の財産の承継先」を指定することは可能です。
ただし、二次相続時の財産の承継先まで指定することができるのは、家族信託だけです。
例えば、先祖代々から承継してきた不動産について、自分が死んだ時(1次相続)は妻に承継させ、将来、妻が死んだ時(2次相続)は、妻の家系ではなく、自分の甥に承継させたい、といったご要望を実現できるのは、家族信託だけです。
遺言は、あくまでも自分が死んだ時の承継先しか指定できないことと大きく異なります。
②財産の承継方法
遺言で、自分の死後の財産の承継先を定めた場合、死後、受遺者に対し、一括で財産を承継させることになり、分割で承継させることができません。
一方、家族信託では、信託の定め方次第で、分割での財産の承継(交付)も可能となります。
例えば、浪費癖のある子どもに対して、一括でまとまった財産を承継
させるのが心配というケースでは、家族信託を活用して、「月々金5万円ずつ交付する」ということが可能となります。
③生前の財産管理
遺言は、死亡して初めて効力が発生するため、相続対策にはなりますが、認知症対策にはなりません。
一方、家族信託は、死亡時の財産承継だけではなく、生前の財産管理についても任せることが可能です。
つまり、家族信託は、相続対策だけではなく、認知症対策としても活用することが可能です。
④撤回の可否
遺言は、前述のとおり、死亡して初めて効力が生じるため、遺言者が死亡するまではいつでも自由に書き換えることが可能です。
一方、家族信託(遺言信託を除く)は、「契約」ですので、基本的に委託者が一方的に自由に書き換えることはできません。
このように、家族信託と遺言にはそれぞれ特徴があるので、上手に使いこなすことが大切なのです。
司法書士法人entrustでは、「家族信託をしたい」というご相談をいただくことが多いですが、面談時には、家族信託・遺言・任意後見・死後事務委任契約等の各制度のメリット・デメリットを説明し、最終的に相談者にご判断いただくようにしております。
結果的に、家族信託を選択される場合であっても、前述のとおり、実際は、全ての財産を信託することはないため、信託しない財産については、別途、遺言や任意後見などで、相続対策・認知症対策を行うことがほとんどです。
「家族信託や遺言のこと、もっと聞いてみたい」
「自分たちには、どの制度が適しているのだろう」
「将来の財産管理や承継のことで不安を感じている」
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と思われたら、ぜひお気軽に司法書士法人entrust(エントラスト)へお問い合わせください。
弊所は、司法書士事務所ですが、別の司法書士事務所から「お客様の信託の相談にのって欲しい」とご紹介いただくことも多いです。
相続対策・認知症対策のセカンドオピニオンも大歓迎です。
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