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2023.07.21

相続

『死んだらあげる』という死因贈与契約とは?

死因贈与契約とは、贈与者が生きている間に、受贈者(財産をもらう人)との間で贈与契約を締結し、贈与者の死亡によって効力が生じる贈与契約のことです。

簡単にいうと、『死んだらあげる』という契約のことです。

【死因贈与契約の特徴】

  • 遺言書と異なり、方式が決まっていないため、口頭によっても贈与契約は成立します
    ⇒遺言書の場合、形式不備によって遺言が無効になる恐れがあることと異なります。
  • 自筆証書遺言は、全文自筆(※財産目録は除く)で書く必要がありますが、死因贈与契約の場合は、自筆で書くことが契約の有効要件ではないため、贈与者の負担を軽減することが可能です。
  • 自筆証書遺言と異なり、家庭裁判所での検認も不要です。
  • 公正証書遺言と異なり、証人の立会いも不要です。
  • 死因「贈与」契約なのに、「贈与税」が課税されるのではなく、「相続税」の対象となります。

以上のとおり、死因贈与契約には数多くのメリットがありますが、注意点もあります。

【死因贈与契約の注意点】

  • 死因贈与契約は口頭でも成立しますが、契約の効力が生じるのはあくまでも贈与者の死亡時なので、後々の法的トラブル回避のためにも、死因贈与契約書の作成をお勧めします。
    また、将来、死因贈与契約の内容について少しでも疑義が生じる恐れがある場合は、公正証書で作成するのも非常に有効です。
  • 不動産の死因贈与契約を締結する場合は、当該不動産に対して、「始期付所有権移転仮登記」をしておくことも有効です。
    始期付所有権移転仮登記をしておけば、不動産の贈与を受ける権利を確保できます。
  • 死因贈与執行者を指定しておきましょう。
    非協力的な相続人がいる場合に、死因贈与執行者を定めておかなければ、相続人全員の協力が必要となるため、遺言執行者に準じた死因贈与執行者の指定は必須です。
  • 死因贈与は遺留分侵害額請求の対象となります。
    遺留分侵害額請求を受ける可能性のある死因贈与を行う場合、請求されたときに対応できるように、請求されうる金額の金融資産も贈与しておくことも有効です。
  • 死因贈与は、贈与税ではなく「相続税」の対象になるため、相続人ではない人が死因贈与契約の受贈者の場合は、相続人と一緒に相続税申告をする必要があるので、注意が必要です。
  • 不動産取得税が課税されます。
    不動産を死因贈与でもらう場合、原則として固定資産税評価額の3or4%の不動産取得税が課税されます。法定相続人が遺贈でもらう場合は、不動産取得税が非課税となることと異なります。
  • 登録免許税の税率が高くなります。
    法定相続人に遺贈を原因として所有権の移転登記の登録免許税は、固定資産税評価額の0.4%となりますが、死因贈与契約に基づく所有権の移転登記の登録免許税は、固定資産税評価額の2%となります。

以上となります。

ある不動産を、特定の方に取得させたい場合、「相続」「遺贈」「生前贈与」「死因贈与」「家族信託」等のいずれの方法で渡すかによって、課税される税金の種類・時期・税額は大きく異なります。

事前の検討をしっかりしたうえで、取得させる方法を選択しましょう。

司法書士法人entrust(エントラスト)では、相続・遺言・生前贈与・死因贈与・家族信託、いずれの方法も対応可能です。

贈与等をお考えの方は、ぜひお気軽にご連絡ください。

それぞれの方法のメリット・デメリットをご説明いたします。

ご連絡お待ちしております。

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